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【司法書士が解説!】相続放棄申請をしたが、申請を取り下げたお客様の解決事例

2024.07.22

当事務所では相続について無料相談を実施しています。

宇多津・丸亀・坂出を中心に香川県全域から多くのご相談をいただいております。

被相続人に借金があったなどのケースも沢山のご相談をいただいておりますので、是非お気軽にご連絡下さい。

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お客様のご状況

丸亀市にお住いの70代のご夫婦から相続放棄をしたいとのことでご相談がありました。

ご夫婦には2人の成人したお子さんがいらっしゃるのですが、50代の独身の長男が病気で亡くなったのです。

子供がいない方が亡くなった場合は、その親が相続人になりますので、ご長男の相続人は両親であるご夫婦と言うことになります。

また、ご長男は東京で大きな会社にお勤めで、相続財産は預貯金、投資信託と居住用マンションなどで、住宅ローンを含めて借金等は無いとのことでした。

ご夫婦はすでにリタイアしていて預貯金も余裕があり、これ以上財産は不要なため、亡くなった息子さんの財産は、子育て世代の次男に引き継いで欲しいと思っているとのことです。

ご夫婦が長男の財産を相続してから、次男に渡すと贈与税の負担があるため、相続放棄をして、次男が法定相続人になるようにしたいとのことです。

ご長男が亡くなってから熟慮期間の3カ月経過していないため、相続放棄の申述書の書類作成をその場でご依頼いただき手続きを進めることになりました。

相続放棄とは?>>

その後、戸籍等の必要な書類も整い、管轄の家庭裁判所に書類を提出させていただきました。

それから一週間が経過したころ、ご夫婦から連絡がありました。

相続放棄をやっぱり取りやめしたいと言うのです。

お話をお伺いすると、ご夫婦が相続放棄することで相続人となられる次男が、兄の財産は受取りたくないと言い出したそうです。

昔から成績が良く大きな会社に勤めていた長男と比べて、次男は勉強もいまいちで、収入も少なく、現在も住宅ローンや子育て資金など、経済的にも大変な状況です。

そんな次男の助けになると思い、相続放棄をご夫婦は決断したのですが、次男は兄と比較されてきたコンプレックスから兄の相続財産を受け取りたくないと言い出したのです。

もし、自分が受け取ることになるなら、次男自身も相続放棄をすると言っているそうです。

当事務所からの提案&お手伝い

このご家族の場合、長男の相続を次男が相続放棄をすると、相続人がだれもいない状況、相続人不存在となってしまいます。

相続人不存在になった場合は、亡くなった方の財産はだれも引き継ぐ人がいなくなってしまうため、原則は家庭裁判所が相続財産清算人を選任して、最終的には国庫に入ることになってしまいます。

ご夫婦としては、長男の財産が国に取られるのはどうしても避けたいとのことでした。

相続放棄は申述書を家庭裁判所に提出したあと、裁判所内で審理がされ、問題がなければ凡そ1か月で受理されることになります。

そして、一旦受理されると相続放棄は原則として撤回することはできません。

しかし、相続放棄の申述書を提出したあとでも、受理されるまでは取り下げ書を家庭裁判所に提出すれば取り下げをすることはできます。

取り下げの仕組みをご説明したところ、ご夫婦は急いで取り下げをして欲しいとのことでした。

ご依頼から、即日で取り下げ書を作成し、ご夫婦に捺印をいただいて家庭裁判所に提出をしました。

結果

申述から1週間程度で受理前でしたので、無事取り下げすることができました。

そもそも、次男さんのご意向を予め確認されていればする必要が無かった手続きではありますが、これで元通りご夫婦が亡くなったご長男の財産を相続されることになりました。

(個人の特定を防ぐため、実際にお受けした事案とは状況等を変えてご紹介しています。)

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    この記事の執筆者
    おひなた司法書士事務所 司法書士 永谷 啓一
    保有資格司法書士・日商簿記2級・FP3級
    専門分野遺産相続・生前対策
    経歴神戸市出身/大阪市立大学工学部/行政書士試験合格/司法書士試験合格/司法書士法人勤務/永谷司法書士事務所開業/おひなた司法書士事務所に屋号変更し相続分野に注力しています。
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